5-1 施術師として

 

体に不調を抱え、病院に診察を受けに行く以外に、整体、鍼灸、カイロプラクティスといった民間療法に通う人がたくさんいます。
西洋医学は怖い、信じられないといった考え方の人から、評判を聞き、人に勧められて、わらにもすがる思いから通う人もいると思います。
かくいう私も、若い頃のギックリ腰で困り果てていた時に、西洋医学では一向にらちが明かず、見るに見かねた医師が腱引きを紹介してくれたという経緯があります。
本当に今の痛み、苦しみから救ってくれるのならば、西洋医学でなくても何でもかまわない。苦しんでいる人はわらにもすがる思いで、施術法を探しています。
しかし、腕がいいと紹介してくれた治療院に行ったにも関わらず、効果がなかったという経験や話を聞いたことがありませんか?
どうして、施術によって差があるのでしょうか?
施術法自体、患者さんにとって合う合わないというものはあります。しかし、私が見ている限り、そうとばかりいってられないように感じています。
かつての私のように、どこに行ってもまったく改善が見られなかった人やかえって悪くなってしまった人が、腱引きの施術を受けに来ます。
そういった人に話を聞いていると、次のようなことがわかってきます。

●評判がいいと聞いていていってみたが、なかなかよくならない
●その場は、気持ちいいがすぐにぶり返してしまう
●いつも同じ施術の繰り返しで、本当に調子の悪いところをなかなか施術してくれない

『評判がいいと聞いていていってみたが、なかなかよくならない』
あそこは腕がいいよと評判を聞いていってみたけれど、実際にかかってみると、効果が感じられないという声はしばしば耳にします。
よくよく話を聞いてみると、効果があった、腕がいいという推薦をした人でも、十回通ったらよくなったというような話だったりします。
例えば、ギックリ腰でも十回通ったら良くなるのは当たり前だと考えて下さい。
本人の自然治癒力で、十回も通っているうちに、勝手に改善が進んでいきます。それは施術師の力というよりも、患者さん本人の力といえるものです。
不具合になってしまった原因が、ギックリ腰のように、一瞬に起きたものであれば、筋整流法の考え方では不具合のあった場所を正常な位置に戻すことで改善されるはずなのです。本来一・二回の施術で改善してこそ施術と呼べるものだと考えています。
ギックリ腰であれば、ギクッとなった時にすぐに施術ができれば運動指導も含めて15分以内で改善します。それは、本来腰の曲げ伸ばしをする腱(筋)が、無理な姿勢と力のかかり具合から骨の凹みから外れてしまい、腰が伸ばせなくなってしまっているだけだからです。
こういった場合は、外れた腱(筋)を元の場所に戻してやるだけで、痛みはなくなります。
もともと正常な位置で使っている腱(筋)ですから、正常な位置の方が収まりが良く安定しているのです。
しかし、その場所の施術に時間がかかったり、起きてしまってから時間が経ってしまうと、腱(筋)がはずれた位置の状態のまま、体の筋肉はそのほかの筋肉を使ってその部位を補おうとします。腱(筋)も捻じれや歪みも強くなってしまいます。
そうなると、一回だけで改善という訳にはいかない場合もあります。それでも、二回三回の内には改善していきます。
5回も10回も通ったが、なかなかよくならないというのは、施術の方法と痛みに関する考え方が悪いといわざるを得ません。


 

こちらのページは筋整流法創始者である小口昭宣による「筋整流法」「腱引き療法」の解説です。一問一答形式の「よくあるご質問」のページもありますので、そちらもご覧ください。